――ジャニーズタレントの表紙起用率の高さは「表紙にジャニーズ登場で雑誌は売れるのか? "メディア支配"の実情と実力を検証」でも述べた通りだが、被写体としての訴求力はいかほどのものか。実際、イケメン男子の写真に反応する女性は想像以上に多い。新潮社で発行されていたグラビアムック本の「月刊」シリーズ(現在はNEO株式会社刊)の創刊時からの編集長で、2011年からは男性版の「月刊MEN」も手がける宮本和英氏は、「写真集の市場では男性タレントと女性タレントの差がなくなってきた」と語る。
ブレイクの時期にドンピシャで出版された
「月刊MEN 綾野剛」 「月刊MEN 向井理」。ジャニーズでこんな写真集出してくれたらどんなにいいか!!
「『月刊』シリーズを立ち上げた1998年と現在とでは、写真集の売り上げが一桁は違う。特に女性の写真集の売り上げは大きく落ち込んだけど、男性の場合はブレイクのタイミングと上手く重なれば、まだ話題になりやすい面がある。『月刊MEN』でいえば、シリーズ第一号の向井理くんや、一昨年の春に出た綾野剛くんの場合がまさにそう。三浦翔平くんのように、役者として活躍しながらアイドル的な人気も持っているタレントは、販促イベントやサイン会などにも多くのファンが駆けつけてくれるしね」(同)
そんなイケメン俳優たちと比較しても、「ジャニーズが抱えているファンの大きさは別格」だと宮本氏は続ける。しかし、ジャニーズタレントは本格的な写真集をほとんど発売していない。事実、2013年にも綾野剛や福士蒼汰、はては豊川悦司まで、いわゆる「イケメンタレント』と呼ばれるこういった面々が写真集を発表するなか、あれだけいるジャニーズタレントの誰ひとりとして写真集を出していないのだ。12年に関ジャニ∞が講談社から1st写真集を発売し、25万部を発行したという例外はあるものの、嵐などはグループ全体でも個人でも代表的な写真集がないのが現状だ。
「僕もジャニーズタレントの写真集を手がけた経験はないけど、相葉くん(相葉雅紀)主演のドラマ『マイガール』(09年、テレビ朝日系)のオフィシャルブックを編集し、彼の写真を撮り下ろした経験があったな。さすがにスケジュールに空きがなくて、1時間で10ページほどを撮り下ろす厳しいスケジュールだったけど、彼の高い表現力もあって魅力的なページが作れましたね。『小さい頃からトレーニングや競争を継続し、選びぬかれた存在の彼らは被写体としても魅力的なんだな』と、そのときに感心しましたよ。ジャニーズ事務所は写真集を作る側から見ても、宝の山のような存在だと思いますよ」(同)
では、もし「月刊」シリーズでジャニーズタレントを手がけられるとしたら、選ぶのは誰なのか。