■個性派編集者・ライターを数多く輩出
ロック・ポップス系「音楽三銃"誌"」
かちこまれるには理由がある。アーティストが気に入らぬ内容であっても、信念を曲げないのが音楽誌の務め。雑誌を休刊から守っていたのは、もしかしたらそんなアーティストの愛情という名のカチコミだったのかもしれない。
【1】MUSIC MAGAZINE
ミュージックマガジン/69年創刊/900円
「ニューミュージック・マガジン」として創刊し、80年に改称。洋邦問わず、あらゆるジャンルの音楽を網羅。編集・ライターが10点満点で評価するレビュー・ページはいまなお物議を醸す人気コーナー。
【2】ROCKIN’ON JAPAN
ロッキング・オン/86年創刊/600円
初代編集長は、創始者である株式会社ロッキング・オンの代表取締役社長、渋谷陽一。雑誌媒体の効力だけにとどまらず、「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」などフェス興行でも利益を上げている。
【3】SNOOZER
リトルモア/97年創刊
「ROCKIN’ON」元編集長の田中宗一郎が編集長を務めた隔月誌。偶数月18日“発売目安”で遅れることも多々。洋邦のロック・ポップスが中心の記事構成で、巻頭インタビューは、長い。11年、休刊。
■曲者はダンス・ミュージック・シーンにも多し!?
一時代を築いたダンス系専門誌
表立っていないものの、“クラブ”という閉鎖的空間でアーティストに拘束される運命を持つダンス系専門誌は、一誌を除き休刊という結末。
【1】BLAST
シンコーミュージック/94年創刊
94年に創刊した、ヒップホップ専門誌。創刊時の「FRONT」から99年に「blast」へ改称。編集部へのカチコミ、電話、クラブでの長時間拘束など、クラブ誌では一二を争うかちこまれ率を誇る。07年休刊。
【2】bmr
ブルース・インターアクションズ/81年創刊
洋楽ブラック・ミュージック専門誌。判型の変更や内容面の刷新など幾度のリニューアルを図り、後半はブラック系邦楽アーティストも扱う。11年の休刊後はウェブサイト「bmr.jp」を運営している。
【3】GROOVE
リットーミュージック/94年創刊/880円
01年に休刊するが、03年に復刊。00年11月号「ファンク特集」の岡村靖幸『家庭教師』のレビューで「最近デブってしまった岡村」という内容に対し、「体型と音楽性は関係ない」と編集部に直接クレーム。
【4】remix
文芸社/91年創刊
アーティスト/DJが勧めるレビューが重宝された専門誌。「編集者が替わると存続にかかわる」ということを身をもって証明し、09年に休刊。スタッフへの給与未払い騒動は音楽業界で話題となった。