【ジャーナリスト/青木 理】変化球なノンフィクションを発信する週刊誌の強度

青木 理(あおき・おさむ)
共同通信社警視庁公安担当、ソウル特派員などを務めた後、2006年からフリーに。近年の著作に『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』(小学館文庫)、『誘蛾灯』(講談社)など。


【1】「週刊ポスト」
小学館/69年創刊/420円
講談社の「週刊現代」と双璧をなすサラリーマン向け総合週刊誌。お堅い政治記事からヘアヌード、(最近はやりの?)壮年セックス特集などの見出しが踊る。

──処女作『日本の公安警察』(講談社現代新書)以降、数々のノンフィクションを発表してきたジャーナリストが考える、雑誌ジャーナリズムの強度とは?

「月刊現代」(講談社)や「月刊プレイボーイ」(集英社)など、本格的なノンフィクションを発信する月刊誌が消えていった中で、現在奮闘しているのは「週刊ポスト」【1】じゃないでしょうか。拙著『トラオ 徳田虎雄 不随の病院王』はポストの連載をまとめたものだし、最近では高山文彦さんの長期連載や『ネットと愛国』(講談社)の著者・安田浩一さんによる中森明菜の半生記などが連載されました。それらを、あくまでも“変化球”という位置付けではあるんだろうけど、常に何本か掲載しているという意味でポストは、ノンフィクション発表の場を提供してくれている。ポストのライバル雑誌である「週刊現代」(講談社)も、最近はナマネタを追いかけるというよりも企画モノが中心でしょう。左右問わず総合月刊誌が少なくなり、週刊誌が全体的に月刊誌の様相を見せているとも感じてます。

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2024.11.21 UP DATE

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