『ゴー宣』小林よしのり「文春報道が真実ならば わしは河西智美を糾弾する!」

――すっかりAKB評論家と化したかのように見えるマンガ家・小林よしのりが、多くの批判も寄せられた『AKB48論』を描いた真意を激白。そして、40年近くの長きにわたってマンガ業界を渡り歩いてきた者としての矜持をもって、昨今のマンガ業界をぶった斬る!

(写真/江森康之)

『東大一直線』【1】『おぼっちゃまくん』【2】、そして『ゴーマニズム宣言』【3】と、常に時代を揺り動かす作品を描き続けてきた小林よしのり。

 そんな彼が現在、AKB48(以下、AKB)にハマっている。ニコニコ生放送ではAKBの曲をギターで弾き語り、トークバラエティ番組『アウト×デラックス』(フジテレビ)に出演してはAKBについてアツく語る。いまや「AKB文化人」となったその姿に冷たい視線を注ぐ者も多いのだが、そうした蔑視などものともせず、この9月には『ゴーマニズム宣言スペシャル AKB48論』【4】なる単行本まで上梓した――。

 戦争論、天皇論、靖国論から脱原発論までさまざまな問題に真っ向からゴーマンかましてきた彼が、なぜそのようなマンガを描いたのか? その理由、さらには自らの“マンガの在り方”について話を聞いた。

『AKB48論』のなかのひとコマ。AKBに対する熱い想いがほとばしる。((c)小林よしのり)

――なぜ、今回『AKB48論』を描かれたんですか?

小林よしのり(以下、小) 4年前だから、56歳ぐらいか。シングル「RIVER」のPVを観てからAKBにハマってしまった。で、『ゴー宣』の読者である大人たちは「AKBって、ブスばっかじゃん!」と思ってるだろうな、と。そんな彼らの誤解は解かなきゃならない。「彼女たちはめちゃくちゃがんばってるんだ」ってことを伝えなくちゃいけないっていう使命感だよね。それと、わしのような世代の人間がAKBにハマるって、若いコから見たらワケわからないだろうと思ったのよ。だから、そこも説明しなくちゃならん、と。

――なるほど。大人には「彼女たちの素晴らしさを」、若者には「自分がハマった理由を」という、両方への“説明”が動機だったんですね。

 そう。特に若者だよね。わしはいずれまた、完全なるフィクションの世界に戻ろうと思ってるわけ。そうすると、若い人の感覚、子どもの感覚っていうのはわかってなきゃいかんのよ。だからしょせん、保守派の論客みたいな形でテレビに登場していても、やっぱりほかのヤツらとわしの間には大きな隔たりがあるわけ。あいつらは童心や感性そのものが摩滅した、正真正銘のオッサンでありジイさんなんだよ。だから彼らは、ポジショントークばっかりやってる。それが今の言論界。そうなると、“自分の感覚”を優先するわしとしては馴染めないんだよ。若者が多いAKBファンのほうが面白い。まぁ、AKBファンの中にもオッサンはいるけどね。

――確かに。でも、そんなAKBに対して、ご自身のブログではかなり突っ込んだことも書いてますよね? ファンから文句が来たりは?

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