ニッポン人は「禁忌」が大好き!? メディアで絶賛増殖中! 最新版「タブー」の定義

――書籍のタイトルや雑誌メディアにおける「タブー」という語の使用状況の推移、そして著名ジャーナリストが考える「タブー」等々をリサーチすることにより、現代日本人にとっての「タブー」をあぶり出す!

(写真/梅川良満)

タイトルに「タブー」と付く書籍の冊数…
2001年からの10年間で
364冊
■21世紀に入り、芸能、セックス、裏社会ネタが書籍に氾濫
2000年前後を境に、「タブー」と付く書籍の発行が急激に増加。出版社別に見ると全907件のうち宝島社が77件、ミリオン出版が59件で他の出版社に比べ群を抜いている。宝島社はムック「別冊宝島」の「誰も書けなかった日本のタブー」シリーズのほか、パチンコ業界、プロ野球、刑務所、日本史などに関するタブー本がある。ミリオン出版は、「BLACKザ・タブー」シリーズを中心に芸能界、セックス、裏社会に関するタブー本を多く出版している。


タイトルに「タブー」が含まれる雑誌記事の数…
2012年からだけで
61冊
■雑誌でも00年代以降「タブー」がインフレ傾向
「タブー」という語がタイトルに含まれる雑誌記事も、90年代後半から少しずつ増え、00年代に一気に増加。12年の件数は10年前の02年の2.4倍に上る。かつては「タブーに挑戦! テレビが100倍楽しくなる芸能界『禿』紳士録」(「週刊現代」95年6月24日号)という企画が記事として成り立つような牧歌的な雰囲気だった。記事中、カツラ疑惑のあるタレントをイニシャルで表記しているが、今はその程度のネタならネットでいくらでも出回っている。


媒体別、タイトルに「タブー」が含まれる記事の掲載件数…
月刊サイゾーはなんと
473件
■かつての「タブー」もいまでは一般常識に
「週刊プレイボーイ」の件数が多いのは、「タブーなきサッカー批評! セルジオ越後の一蹴両断!」という320回を超える長寿連載があるから。かつてタブーを暴く雑誌として知られた「噂の眞相」は92年9月号で「ジャニーズ事務所のタブー」としてジャニー喜多川氏の素顔写真を掲載。だがその後、小誌や他のメディアもジャニー氏の写真を掲載し、11年にジャニー氏自らポートレイトを解禁した。かつてはタブーでも今はそうではないということは、よくある話。


「タブー」とAND検索したときにヒット数が多かった主な語…
日本+タブーで
1139件
■AKBタブーはメディアの創作物!?
芸能界のタブーが、需要も供給も多いようだ。「70年代は「菊タブー」(皇室タブー)、「鶴タブー」(創価学会タブー)、「電通タブー」が厳然としてありました。菊タブーは今もありますが、鶴も電通も昔ほどの力はなくなり、タブー感はだいぶ薄れています。その代わり最近は、メディアが自らタブーを作り出しているように思います。典型的なのはジャニーズやAKBタブー。『事務所がうるさいから、グラビアを掲載させてもらうためには仕方ないから』と自主規制してしまうことで、多くをタブーにしてしまっていいる」と元木氏。



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