「スポンサー料3億円」「非正規雇用中心」黒いビジネスで稼ぐディズニー裏ガイド

──夢と魔法の国、東京ディズニーランドが1983年4月の開園から、今年で30周年。東京ディズニーシー(2001年9月)の開園に合わせて、東京ディズニーリゾートとなったことで、その人気は加速、国内レジャー施設業界を独走中だ。快進撃を続ける東京ディズニーリゾートだが、夢と魔法で隠された裏側には、毎年200億円超の米ディズニー社への「上納金」に、「土地転がしビジネス」「過酷な労働環境」……とてもヤバい世界が広がっていた!?

園内にいるミッキーと比べると、この像の縮尺はオカシイと思います……。

 東京ディズニーリゾート(TDR)の業績が絶好調だ。

 毎年2500万人を超える入場者数を維持し、客単価(ゲスト1人当たりの売上高)は1万336円と2年連続で1万円超えを果たしている。

 TDRの経営主体であるオリエンタルランド(OLC)は、2011年3月の東日本大震災により、TDRがある舞浜市で起こった液状化現象の影響などで、一時休園を余儀なくされたものの、13年3月期の連結業績は売上高3955億2600万円(前期比9・9%増)、営業利益が21・7%増の814億6700万円、純利益が60・3%増の514億8400万円と、いずれも過去最高となった。

 開園30周年となる今年は、「ハピネスがいっぱいの“ザ・ハピネス・イヤー”!2013」と銘打ち、昼のパレードを刷新。人気アトラクション「スター・ツアーズ」に3D映像を導入するなどさまざまな仕掛けが話題を呼び、13年4~6月期連結業績は、営業利益が200億円強と前年同期比で約2割増え、同期比として過去最高になった模様だ。

 また、こうした利益でハピネスになるのはOLCだけではない。米国のディズニー社(ディズニー・エンタープライゼズ・インク)もホクホクだ。OLCは、ディズニーのライセンス・ロイヤリティとして、売り上げの一部を“上納”しているからだ。レジャー誌記者が話す。

「当初の契約では、TDRの売り上げの約10%という破格のロイヤリティを米ディズニー社に支払うというものでした。さらに、契約後45年間はこの条件が続くという一般的にみても不平等な契約でしたが、ディズニーシー(TDS)開園の際に、再契約をしています。内容は未公表ですが、ロイヤリティは『アトラクション収入』の10%、商品・飲食販売収入の5%とみられています」

 OLCの最新の有価証券報告書(13年3月期の連結業績)をみると、「アトラクション収入」は1442億円。この10%とすると144億円となる。「商品・飲食販売収入」は1822億円で、この5%は91億円。合計で235億円となる。実際に、「売上原価明細書」には「229億2900万円」のロイヤリティが計上されているので、妥当な数字だろう。OLCは200億円を超えるロイヤリティを払ったうえで、514億円の純利益を叩き出しているのだ。

「これはOLC側が巧妙で、近年、ロイヤリティ率の低い『商品・飲食販売収入』を増やしています。例えばディズニーランド(TDL)は開園当時32のショップと29のレストランでスタートしましたが、現在はショップ47店・レストラン47店となり、年々、『商品・飲食販売収入』の割合が高まっています」(経営コンサルタント)

 さらに00年、舞浜駅前にショッピングモール・イクスピアリ、01年、舞浜駅とTDLの間にディズニーショップ・ボン・ヴォヤージュをそれぞれ開業したが、どちらもOLCの子会社が経営し、米ディズニー社と、ライセンス契約はしていない。

「このようにTDRでは、米国に高比率のロイヤリティを支払ったとしても、OLC側に十分な利益が上がるようなビジネスモデルを着々と作り出したのです。そのキーワードは初期の『土地転がしビジネス』、次に『非正規雇用中心でのオペレーション』、と『公式スポンサーという名のリスク分散』でしょう」と、あるジャーナリストは語る。その実態は、どんなものなのか?

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