【宮本文昭】が語るタブーなクラシック!『私にとっての最大のタブーは娘・宮本笑里との共演です!!(笑)』

──オーボエ奏者として世界的に活躍し、現在は指揮者としても活動する宮本文昭。美人ヴァイオリニストの父としても知られるクラシック界のイケメンダンディが語る、格式高いクラシック界における“タブー破り”の音楽とは?

宮本文昭[指揮者、東京音楽大学教授]
1949年、東京都生まれ。ドイツにてオーボエをヴィンシャーマンに師事し、ケルン放送交響楽団の首席奏者などを歴任。07年にオーボエ奏者を引退、指揮者としても活動し、東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団の初代音楽監督に。ヴァイオリニストの宮本笑里は次女。

 クラシックが全然堅苦しいものじゃないんだということを最初に教えてくれたのは、僕の師匠のヘルムート・ヴィンシャーマン先生です。高校1年生の頃、彼のことを何も知らずに出かけたコンサートで聴いたバッハがすごかった【1】。舞台の上で起こっていることが花火みたいに楽しくてきらめいていて、すべての音がはじけてる。当時の自分にとってはまさしくタブー破りな演奏で、音楽の神髄、使命はそこにあると思ったんですね。

 クラシックって、「上品で澄ましたもの」という色メガネで見られやすい。なんでかっていうと、たぶん一番ネックになっているのは、自分たちがクラシックを「知っている」「わかっている」とひけらかしたい一部の人たち。「庶民の人はわからなくても当然です!」と線を引くためにクラシックが使われてしまったのが、諸悪の根源になっていると思います。

 2007年にオーボエ奏者を引退するまでは、僕もそういう誤解をぶっ壊してやろうと思って一生懸命でした。例えば94年からはピアノの山下洋輔さん、ギターの渡辺香津美さんと3人でフリージャズの会をやったりしてましたから【2】。クラシックの業界からは変な目で見られてたと思いますよ。でもあまり攻撃されることがなかったのは、ドイツのトップオーケストラの首席奏者という肩書があって、クラシックもきっちりやっていたからかもしれませんね。

 でもその頃は、まさか自分がクラシックの指揮者をやることになるなんて思いもしていなかった。演奏家時代は、正直言って指揮者にはそんなにいい印象ばかり持っていたわけではないんですよ。いや、もちろんすごい方はたくさんいるんですよ。最初のリハーサルの時、指揮棒をそっと上げて目をクワッと見開いただけで、その方がその音楽をどう捉えているのかを1ミリのぶれもなくクリアに示すことができるような方がね。でも、そうじゃなくて、自分の指揮している姿に陶酔していて、「おれを見て! おれを見て!」って方も、なかにはいないわけではない(笑)。

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