──前特集までは、アパレルブランドを裏で支える商社の実情を見てきた。ここでは商社に発注する側である、アパレルブランドの企画・プレス担当に、発注する側から見た商社について、業界ならではの裏話を聞いてみた。
A:中規模アパレル企画担当
B:大手アパレル企画担当
C:老舗アパレルプレス担当
『Chanel super collection』(交通タイムス社)
A サイゾーのファッション特集ってなにやんの(笑)? って感じだけど。今回は、商社について聞きたいんだって。みんなは商社を、どんな基準で選んでる?
B 当たり前だけど、どんな洋服を企画するかによって使い分けるよね。あそこは素材のパターンを持ってるからとか、安く仕入れられるとか、なるべく融通を利かせたいとか。細かい刺繍を入れるのか、ボタンがいっぱい付いているみたいなのか、とかね。
A 総合・専門にかかわらずだけど、でもやっぱりどこの工場に発注するかで仕上がりが全然違う。
C それぞれの会社で、デニムに強いとか、ニットに強いとかあって。ウールのカーディガンなのか綿のTシャツなのか、どんなアイテムを作るのかで変わってくる。春夏と秋冬でも、取引先は変わるよね。
――だいたいのイメージで、業界のトップっていうと、どういうところなんでしょう?
B どこだろ……そんなに差がないのかな。なんとなく三菱商事だったら全般的になんでもできるっていうのはあるけど。意外と知られていない山奥にある個人の工場とかが、世界で通用する紡績企業だったりするよね。
A 例えば山形県にある佐藤繊維はシャネルから発注を受けて、生地を作ってたりするしね。