【手持 望】『バクマン。』のアシスタントマンガ家が語るカルト教団生活での思い出

──ネット上で話題を呼んだウェブコミック『カルトの思い出』。その作者であり、人気マンガ『バクマン。』などのアシスタントを務めた手持望氏に、その執筆の真意を聞いた。

(写真/三浦太輔 go relax E more)

 カルト教信者だった頃のエピソードを描いたマンガ『カルトの思い出』をウェブで公開し、注目を集めたマンガ家の手持望。『ROOKIES』の森田まさのり、『バクマン。』の小畑健、『ワンパンマン』の村田雄介らのもとでアシスタントを経験し、『バクマン。』のスピンオフ作品『ラッコ11号』(すべて集英社)の読み切りを手がけるなど、マンガ家として軌道に乗ってきた氏だが……彼に転機が訪れたのは、件のマンガを描いたことだという。それまで彼を縛りつけていた教団の呪縛とはなんだったのか。

 時は1992年。当時高校生だった手持少年は、友人からオカルト雑誌を見せられる。そこには、右翼的な政治思想を持ち、セミナーによる布教、模造刀による貧弱な剣術で武装することで知られる某教団の教祖の記事が。なぜか、この教団に惹かれた少年は、講演に参加することを決意。そこで初対面を果たした教祖の目つきの悪さと声のデカさ、そして「94年に東京に大地震が発生、その混乱に乗じて教団が国会を占拠、政権を取る」という、トンチキな発言に衝撃を受けた。もちろん、東京に地震はこなかったし、政権も変わらなかったが、この壮大な与太話は、新潟で育った少年を虜にするのに十分な魅力があったという。

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2024.11.22 UP DATE

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