残業200時間を強制! キユーピーパワハラ裁判の知られざる全容とは?

――2010年、キユーピー中河原工場(東京都府中市)におけるパワハラ問題をめぐり、“ひっそりと”裁判が行われた。原告は、当時課長を務めていた男性社員(当時51歳)。同氏は02年10月からマヨネーズ、ゆで卵など複数部門を担当しており、パート200人弱を含めた300人ほどの部下を任されていた。この頃、中河原工場では、コンビニおでんなどに使用される関東地区の“業務用ゆで卵”の生産を一手に担っており、1カ月150~200時間の残業は、すでに常態化されていたという。

『キユーピーのマヨネーズレシピ』(主婦と生活社)

 一般に、「月80時間を越える時間外労働がブラック企業」とされており、その基準から考えると、およそ3倍の残業を行っていた。それでも、なんとか気力と現場の人間関係の良好さによって乗り切っていたと、男性社員は裁判で述べている。

 しかし、そんなギリギリの状態の中、新しい工場長の赴任によって、その労働環境はさらに悪化する。

 ことあるごとに「お前なんか辞めろ」とののしられ、管理職のほか、ライン作業も行うことを強要された。当時、“ゆで卵”の受注が増加し、ラインは完全にパンクしていた。そこで工場長に増員の必要を訴えると、こんな言葉が返ってきたのだ。「人が足りないならば、課長がラインに入ればいい。残業代がかからないからな」。

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2024.11.25 UP DATE

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