アベノミクス、TPP、韓国新政権の狙いは……日米韓の方針で生きる企業、死ぬ企業

──2012年末、与党に返り咲いた安倍政権の打ち出した経済政策によって、日本はアベノミクス・バブルに沸いている。政権交代で経済政策を大きく舵切りしたことが、この好況を招く形となった。くしくも12年はアメリカ、中国、韓国と各国首脳の再任および交代が起こった年。各国の首脳たる彼/彼女らのスタンスが世界経済、ひいては日本経済に与える影響とはいかに?その動向から、今後の「生きる企業」「死ぬ企業」を、日本を中心に見ていこう。

「これまでとは次元の違う大胆な政策パッケージを提示します」

(絵/サイトウユウスケ)

日本[安倍首相肝入りのアベノミクス]

 12年末に安倍政権が打ち出したリフレーション的経済政策。『大胆な金融政策』、『機動的な財政政策』、『民間投資を喚起する成長戦略』を“三本の矢”としている。この施策について、安倍首相本人は「これらの施策に、かつて試みたものがあるのは確かです。しかしおずおずとでしたし、いかにも逐次的でした。わたしのプランにおいて、矢は3本とも強いです。速いですし、遅滞なく放たれています」としている。量的緩和や2%のインフレターゲット(物価目標)を設定して、市場は「円安」「株高」に動いた。下のグラフからもわかるような、近年の日本の低成長を打破する期待が持たれている。

■生きる企業
トヨタ、ホンダ、日産、日立、コマツ、三井住友銀行など
銀行業、ショーボンド建設ほか専門型土建業

 製造業は、円安効果によって貿易収支が改善され、すでに業績が回復傾向にあり、アベノミクス・バブルとされている。また、田中角栄時代の“日本列島改造”によってできたインフラの補修に対し、大規模な公共投資が期待される。

■死ぬ企業
イオン、セブン&アイ、ユニクロ

 海外に拠点を置いて生産を頼っていた企業には、円安で向かい風が吹く。海外産の食材を輸入していた外食産業や、原材料を海外に依存していた小売業(特にプライベートブランドを有している企業など)、燃料価格が上がる運輸業などは厳しい経営を強いられることとなるだろう。

日本のGDP成長率(出典:世界銀行)
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安倍晋三(あべ・しんぞう)
1954年、東京都生まれ。第96代内閣総理大臣。2006年、絶大な人気を誇った小泉純一郎の後を継ぎ、第90代内閣総理大臣に就任するも、07年、潰瘍性大腸炎を患い退任。この辞任劇に対し、週刊誌やテレビなどからは「お腹が痛くなって退任(笑)」と揶揄されたことも。12年12月、自民党への政権交代と共に不死鳥のごとく復活を遂げた。

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