サッカー日本代表W杯切符持ち越しも電通はニンマリ

なぜ日本代表はヨルダンに負けた?

最新FIFAランキングによるとヨルダンは90位。一方の日本代表は26位。この数字だけ見ると、圧倒的に日本が優位に思えるが、ランキング通りにはいかないのがサッカーの世界。ヨルダン戦では失点してからのザッケローニ監督の選手交代などのベンチワークに対し、サッカージャーナリストから疑義の声も。

『ブンデスリーガ 11人の日本人』(スコラマガジン)

 3月26日に行われた、サッカー・ワールドカップ・アジア地区最終予選B組の日本代表対ヨルダン戦。日本がこの試合に勝てば、14年にブラジルで開催される本大会への出場が決定するはずだったが、結果はご存じの通り、1-2でまさかの敗戦。本大会出場決定は、次戦のオーストラリア戦(6月4日)以降まで持ち越しとなってしまった。

「12年6月8日に日本のホームで行われたヨルダン戦では、6-0の大勝。それだけにサッカー業界内でも、アウェーのヨルダン戦も楽勝で、本大会出場を決めるだろうとの見方が大勢でした」(サッカー専門誌編集者)

 また、現地ヨルダンのアンマンで試合を取材したサッカージャーナリストはこう語る。

「試合内容という観点から言えば、やはり、本田圭佑、長友佑都という日本代表の“二枚看板”をケガで欠いていたことが大きかった。ただ、それはあくまでも言い訳にすぎない。本来の力を出せば、それほど難しい相手ではなかった。試合後、ミックスゾーン(選手がピッチから控え室などに戻る道筋に設置されている取材エリア)でも、ほとんどの選手が口を揃えて『今日の試合で本大会出場を決められなかったことは非常に悔しい』とコメントしています」

 しかし、同氏によれば、そういった選手たちが見せた悔しさの一方で、代表チームに帯同している、電通やテレビ朝日の“スーツ組”の姿が印象的だったという。

「選手やコーチングスタッフが悔しがっている中で、“スーツ組”は、『次、次!』と選手たちにハッパをかけるなどして、気持ちの切り替えがやけに早い(笑)。落胆している様子は、みじんもなかったですね。それもそのはず、もしヨルダン戦で本大会出場が決まれば、今後、ホームで開催されるオーストラリア戦、アウェーのイラク戦(6月11日)は消化試合となってしまうからです。そうなると、視聴率や入場者数など興行的にもマイナスの影響が必然的に出てきます。 “スーツ組”からしてみれば、『絶対に負けられない戦い』ではなく、ヨルダン戦は『負けても全然オッケー』な試合だったのでしょう」(前出・サッカージャーナリスト)

『電通』
言わずと知れた日本最大にして最強の広告代理店。サッカー日本代表戦の一切合切を取り仕切り、同社の一声で「キックオフ時間」まで変えてしまう絶大なる権限を持っている。

 テレビ朝日は01年からアジアサッカー連盟(AFC)主催試合の地上波放送権を独占獲得し、08年から12年までの4年間、12年から16年までの4年間、それぞれの4年間を約120億円、合わせて240億円にも上る超高額契約をAFCと交わしている。試合のスポンサーシップ販売権を仕切る電通にとっても、試合数が多ければ多いほど、当然、金銭的なうまみが多い。

 また、在京キー局の12年度平均視聴率で、ゴールデンタイム12・4%、プライムタイム12・6%と首位をキープし、開局以来初の2冠を獲得したテレビ朝日。今回のヨルダン戦も平均視聴率は25%、瞬間最高視聴率は午後11時24分と同31分に記録した31%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、サッカーは確実な数字を叩き出せる“超”がつくほどの「ドル箱」なのだ。

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