──1963年の『花の生涯』に始まり、13年の『八重の桜』まで、実に52作品を数える大河ドラマの歴代作品。リアルタイムでは観ていなくとも、伝説的作品として知っているものも少なくないだろう。むろんその中には、悪い意味での伝説も……。ここでは、50年に及ぶ大河ドラマの裏面史、すなわちスキャンダル列伝を総ざらい!
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出典:「NHK大河ドラマ大全」(NHK出版)※『江』『平清盛』のみビデオリサーチ調べ(関東地区)。
【1】演出家交代で和田勉緊急登板! 視聴率は大低迷
『竜馬がゆく』(68)
原作/司馬遼太郎 演出/辻本一朗→和田勉 脚本/水木洋子
主演/北大路欣也
時代物では人気の司馬遼太郎原作だが、テンポの速い展開にしたい脚本家と、当初の演出家・辻本一朗の意見が折り合わず、制作上の齟齬を来たして辻本が途中降板。辻本が大阪出身であったために、東京のNHKスタッフと噛み合わなかったのも理由の一つとされる。結果、当時NHKのディレクターだった和田勉に交代したが、当初のゴタゴタが尾を引き、94年『花の乱』が更新するまで歴代大河最低視聴率(14.5%)と相成った。
【2】倉本聰、本作の失意が原因で北海道に移住!?
『勝海舟』(74)
原作/子母澤寛 演出/中山三雄ほか 脚本/倉本聰、中沢昭二
主演/渡哲也→松方弘樹
主演・渡哲也の体調不良を見かねた倉本がNHKの上部に訴え、主役交代が決定。代役も、当時松方弘樹が所属していた東映の社長に直接倉本が交渉を行った。そうした経緯に加え、演出家が勝手に脚本修正を行うなどした為、ついに降板を決意。のちにこの件に関して週刊誌の取材に応じたところ、その見出しがNHKに対して攻撃的だったことから、倉本は局関係者につるし上げを食らう。同日のうちに北海道に行き、そのまま転居した。