ももクロのCMはAKB48への牽制!? 電通が狙う"京楽&東京都のカネ"

――ここまで、一般的な芸能界と電通の関係について見てきたが、昨今その関係性に特に目がいくのは、同社とアイドル、特にAKB48との蜜月ではないだろうか? そこには、最新の広告業界事情による深~いワケが隠されていた!

17日に卒業した増田有華。彼女が出演した噂のミュージカル『THE WIZ』も電通提供だったとか。AKBの中でもOffice48との関係性が強固らしく……。

 前述してきた通り、タレントの契約期間が短くなっている背景には、「“キャンペーン”的な起用、つまり、一気に売りたい商品を推すためのカンフル剤としてタレントを起用」(芸能マネージャーA氏)し、より高い費用対効果が求められる中、当然、CMに起用するタレントの選定もよりシビアになっている。

 そんな中、今年のテレビCMの出演本数がグループ全体で30を優に超えるのが、ご存知AKB48だ。缶コーヒーの「WONDA」(アサヒ飲料)やコンビニ大手の「セブン-イレブン」(セブン&アイ)、不動産の「アパマンショップ」など、グループとして出演したものに限らず、前田敦子(8月に卒業)の「g.u.」に板野友美の「イー・モバイル」、篠田麻里子の「ABCマート」、小嶋陽菜の「TSUBAKI」(資生堂)など、メンバーの個別出演CMも多数。さらには、SKE48の「『Cook&Do』香味ペースト」(味の素)やNMB48の「ラウンドワン」、HKT48の「西日本シティ銀行」、JKT48の「ポカリスエット」(大塚製薬)などなど、姉妹グループが単独で出演するCMも頻繁に放映されている。当然ながら、こうした背景にも電通の存在がある。

「彼女たちの場合、キャラクターとか知名度というよりも、その“実売力の高さ”を買われているんでしょう。つまり、彼女たちに関連するおまけなんかを付けることで、何万人といる一定のファン層は確実に商品を買ってくれる。これが昨今のキャンペーン的起用にマッチして、電通はそれをうまく利用しているんですよ」(前出・A氏)

 実際、電通社員のB氏も「俗にいわれるAKB商法は、短期の商品キャンペーンに応用が可能だった」と続ける。

「ほかのアイドルグループと違い、認知されているメンバーが多いAKBの場合、メンバー別のプレミアムグッズなどを用意すると、それぞれのファンの購買意欲をかき立てることが可能です。例えば、応募者限定グッズやおまけなどをつけた『WONDA』や『ぷっちょ』(UHA味覚糖)などもその成功例。それから、セブン-イレブンの例も象徴的です。通常、セブン-イレブンのCMにはエイベックスのアイドルグループが起用されているのですが、年末やクリスマス、バレンタイン商戦など、実売につなげたい勝負時は、別途AKBを投入しています。これはどういうことかというと、もともとは、AKS同様ウチと親交の深いエイベックスが、セブン&アイと年間のパッケージ契約を結んでいるんですね。時期によってSUPER☆GiRLSやAAA、Dream5らが出演しているので、一見、グループごとに短期契約をしているようにも見えるのですが、実際は、エイベックスのアイドルグループをセットにして、セブン-イレブンやイトーヨーカドーなど、同社関係のCMにまとめて起用しているんです。セブン&アイはそのエイベックスとの年間契約とは別に、AKBとも短期の契約を結んでいるんです」(同)

AKBグループと電通の蜜月その成り立ちと変化とは?

「WONDA」では定期的にプレゼントキャンペーンを実施(写真右上)。NMB48が出演する「ラウンドワン」。こちらも、ストラップがもらえるキャンペーンなどを実施(左上)。「日清カップヌードル」のシリーズにも、順番にメンバーが起用されている(右下)。セブンイレブンのクリスマスキャンペーンCM(左下)。

 一時は「運営にもかかわっている」という噂が流れたほど親密なAKBと電通。そもそもその関係性は一体どんなものなのか。

「もとをたどれば、AKBプロジェクトが始動した05年頃、秋元康さんのもとにNTTから直接『ドコモ』の新サービスに関する企画が持ち込まれたことがきっかけだそうです。というのも、秋元さんが原作を手がけた携帯電話を使ったホラー映画『着信アリ』の成功があって、ドコモサイドがまた新しい仕掛けをやりたがった。そこに、電通が食いついたんですよ。これを機に、AKBと電通のコンテンツ部がつながりました」(元電通社員C氏)

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