【高岩淡】日本映画界の重鎮が”危惧”する、邦画の悪しき慣習──

──東映社長、東映会長を歴任した邦画の生き字引が、京都・太秦映画村で吐露した、映画とマスコミの問題点とは?

(写真/バンリ)

 風格漂う時代劇のセットの前に座るこの紳士。今日、日本の映画界をもっとも古くから知る男と言っても過言ではない、高岩淡氏、82歳である。今回、高岩氏の写真を撮影したのは、東映太秦映画村。すでに日本映画の斜陽化が言われていた1975年、高岩氏のアイデアで、撮影所の一部を一般公開するテーマパークとして開村し、人気を博している。

「私が東映に入った頃は、撮影所では10本近い映画を同時に撮影するのは当たり前。撮影隊同士の縄張り争いや喧嘩まで起こる始末で、毎日がお祭り騒ぎでした。当時の映画人は型にはまらない男たちの集まりで、撮影所勤めをしているうち、関西のヤクザの組織図にまで、なぜか詳しくなったものです。それに比べると今の撮影所はおとなしく、寂しいものがありますね」

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2024.11.21 UP DATE

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