教師と生徒が全裸で跳び箱! 全然ヌケないギャグエロBL――「コミックJUNE」水野正文編集局長

「コミックJUNE」
発行/ジュネット 創刊/1978年 発行ペース/隔月
「ボーイズラブ」の原型となる「耽美」を生み、日本の腐女子文化の礎を築いてきた老舗雑誌。現在はアダルト色がやや強め。兄弟誌に「BOY\'Sピアス」など。


【7】『おしおき学園』より。水泳の授業でビリになった不良生徒・加藤はまたしても体育教師のおしおきの餌食に!  効果音「かぱ」が最高。

 オキテ破りということでいえば、藤井あやさんの『男巫女』【6】を挙げておきたいですね。女体化のBLです。巫女なのに男性で、しかも満月の夜には体が女性になってしまう。そんな人物が山の奥深くの村に暮らしていて、たまたま来たカメラマンと出会うお話です。女体化をやってはいけないわけではないですが、商業誌ではこれまでなかったと思います。女性の裸が出てくるのは読者が拒否反応を示すのではないかと思っていたけれど、作家さんからの「描いてみたい」という希望もあり、実際にやってみると予想以上の反応でした。

 それから紅蓮ナオミさんの『おしおき学園』【7】も、なかなかほかに類のない作品です。熱血教師と不良生徒を主人公に、ギャグテイストでテンポよく進んでいく。エロは多いですが、正直オカズとしては役に立たないでしょうね(笑)。でも面白く読めてしまう。ここまでエロを入れつつ徹底的にギャグをやるのは、BLでは唯一無二かもしれません。紅蓮さんはほかにも『社長はエロシック』【8】というサラリーマンものなどを描いているのですが、こちらも笑える箇所が多く、ネットなどでも話題になりました。

 エロギャグでいうと、ベテラン・櫻井しゅしゅしゅさんの『大きなバイブの舎の下で』【9】もありますね。大人のおもちゃメーカーを舞台に、バイブに命を懸ける男たちの熱い闘いを描いてます。連載されていたのは99~03年と、少し古い。今となってはTENGAなどによってアダルトグッズも一般的になりましたけど、当時はまだそんなにカジュアルな扱いではなかったですから、そこで大人のおもちゃメーカーを舞台にするのはBLの中でも珍しかったです。

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2024.11.23 UP DATE

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