佐野眞一の「ハシシタ」は橋下に対する男の嫉妬、団塊世代の負け犬の遠吠えだ!

──年齢不詳、職業不明、痛風持ち……老獪タカスが、自らの五臓六腑をすする気合で過激に告白&提言

「週刊金曜日」の発行元の金曜日は、解放出版社東京営業所と同じビルの同じフロアにある。先日、金曜日から著書『悪名正機 アウトサイダー十三人の話』を上梓した。前田日明、柳美里、戸川昌子ら13人に関するエッセイである。

「週刊朝日」10月26日号(朝日新聞出版)が、橋下徹大阪市長の出自に関する佐野眞一の連載「ハシシタ 奴の本性」を掲載し、橋下市長から厳しい抗議を受けて謝罪した。翌週の「週刊朝日」でお詫び記事を掲載し、連載は中止になり、同誌編集長は更迭された。

 先月号にも書いたが、団塊世代は今、引きこもり状態にある。その中で、珍しく精力的に発言している人間が、佐野と辺見庸だ。

 辺見は脳出血とがんで思うように体も頭も動かないが、外へ出ようという気概が感じられる。佐野も「サンデー毎日」(毎日新聞社)で「新 忘れられた日本人」という連載ページを持ち、戦後の日本の裏側を語っている。この2人が揃って橋下を叩いている。

「ハシシタ」の文中でも、佐野は辺見が講演で発言した「橋下徹はテレビがひり出した汚物である」という言葉を引用し、「我が意を得た思いだった」と述べていた。

 ずばり言おう。「ハシシタ」は、団塊の世代の右代表と勘違いしている佐野の、橋下への強烈な嫉妬である。佐野は負け犬の遠吠えをしたにすぎない。

 団塊世代にとって、橋下はまぶしくてたまらない存在だ。佐野がどんなに「テレビ視聴者を相手にしたポピュリズムでできている」「衆愚の王」「大衆迎合思想」と批判しても、橋下に実行力があり、日本をひっくり返そうとしていることは事実だ。

 会社というブランドと肩書を背負って生きてきた団塊世代は、リタイヤして肩書を失い、体力もなくなり、引きこもるか蕎麦を打つくらいしかすることがない。そんな同世代を目の当たりにし、佐野自身も体力的な衰えを身にしみて感じているはずだ。そんなとき橋下のイケイケの顔つき、三白眼を見ると、悔しくてたまらなくなるのだ。

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