オウムの元信者たちのインタビューをまとめた『オウムを生きて』(小社刊)。
18日、オウム真理教(現アレフ)元信者菊地直子被告と同居していたとして、犯人隠匿罪などに問われた高橋寛人被告の初公判が東京地裁で開かれ、菊地被告及び高橋克也被告ら、今年6月に逮捕された教団「特別手配犯」関連裁判がスタートした。菊地被告らの逮捕・起訴で、久しぶりにオウムへの関心が高まっているが、教団はますます社会から「孤立」し、「引きこもり教団」のような状態になりつつあるというのだ。
同じ18日、初公判に合わせてか、オウムをめぐる大きな報道があった。日刊スポーツが「オウムが今春、約7年ぶりに出家信者を認定していた」と報じたのだ。同紙によると、オウムは今春、西日本の道場に所属していた20代の男性在家信者を出家信者として認定したという。麻原彰晃死刑囚が95年に逮捕されて以降、教団で出家を認定される信者は激減していたといい、同紙では今回の出家「再開」は、麻原時代の原点回帰路線の一環ではないか、という捜査関係者の見方を報じている。
警察当局は、菊地被告や高橋被告の起訴で、オウムの一連の事件に対する捜査はいったん終了としたが、一方で、教団の閉鎖性は強まっているという。