──公開中の映画『アウトレイジ ビヨンド』で、先代の会長を殺したヤクザを演じる三浦友和。さわやかな名優が、狡猾な悪党を演じることに対する思いを聞いた。
(写真/三浦太輔 go relax E more)
2010年の6月に公開された前作から、およそ2年半。椎名桔平や加瀬亮など、ヤクザ映画らしからぬ意外なキャスティングが話題を集めたあの『アウトレイジ』が、飛び交う罵声と暴力描写をさらにパワーアップさせて帰ってきた。
そして、そんな異色のハードヴァイオレンスにあって、とりわけ異彩を放っているのが、広域暴力団・山王会のトップとして君臨する、狡猾なヤクザ・加藤を演じる三浦友和の存在感。夫人の山口百恵とともに一世を風靡したかつての青春スターがみせる、ドスの利いた"悪人"への豹変は、誰もが驚くほどのハマりっぷりだ。
「確かに、20代の頃にやってた、東宝カラーの"清く正しく美しく"を体現した役のイメージで僕を観ていた人にとっては、ホントに意外だったかもしれないですね。
ただ、この加藤という役は、周りが全員悪人という意味でもちょっと特殊。ヤクザは悪人なのが当たり前で、そもそも彼らは悪いと思って悪事を働いているわけではないですから、演じる上での後ろめたさもありませんでしたしね」