――精神病の治療には薬が欠かせないが、その一方で、これらの薬物はさまざまな副作用を身体にもたらすことが明らかになっている。
『精神科の薬がわかる本』(医学書院)
「心の健康」相談や、家族学習会などを行っている精神障害者の家族会「あやめ会」によれば、同会会員の家族の統合失調症の患者の総死亡率は同年代と比較して約8倍、心疾患による突然死は約28倍、また、自殺も若い年代に集中して約15倍という高さになっており、その原因として、抗精神病薬の多剤併用大量処方、副作用止めのセット処方などに加えて、将来への不安や、精神疾患に対する誤解に基づく孤立化などが考えられるという。
しかし、それでは薬はすぐにやめたほうがいいかというと、そうではなく、山梨県立北病院の藤井院長によれば、統合失調症患者の退院後を追跡した結果、薬を中断した患者のほうが死亡率が高いという結果が出たそうだ。