──2012年「最もセクシーな男性ミュージシャン」1位(ビルボード発表)に選ばれた超HOTなグッドルッキングガイ(身長185センチ)ながら、実はゲイ……男性ファンをギンギンにして女性ファンを悶々とさせる罪作りなヴォーカリスト、アダム・ランバートが8月に来日した。そして、今世界中が胸をときめかせるアダムに、デビュー当時から熱い眼差しを向けてきた辛酸なめ子が急接近!?『アメリカン・アイドル』出身で超肉食なアダム、ユダヤ人としてのアダム、“ホルスの目”のタトゥーを入れたアダム、“セルフラブ”について歌い上げるアダム……読者諸氏が今最も注目すべきポップアイコンの素顔をご覧あれ!
(写真/石黒淳二 go relax E more)
辛酸なめ子(以下、な) アダムさんのアルバム『トレスパッシング』【註1】、メロディアスでかっこよくて心にトレスパッシング(侵入)されました。
アダム・ランバート(以下、ア)ははは。ありがとう。
な 日本では女性ファンのほうが多いんですか?
ア 女性のほうが多いと思います。シリアスなファンっていうのは往々にして女性が多いんですけど、ライブをやっててオーディエンスを見ると男性も結構いますし、ゲイの方たちもいますし、あと普通のロック少年たちも結構いますね。
な 日本の男性の印象はどうですか?
ア おしゃれな人が多いですよね。日本では普通の男性がちょっと中性っぽい感じとか女性っぽい感じを出しても認められている。それが同性愛者じゃなくても、そういうおしゃれをしても認められるのに対して、アメリカでは男性が中性的な格好をするとホモセクシャルと思われてしまう。そういった文化的違いは感じますね。
な 日本ではおしゃれな服を着ても、そういうふうには思われないです。
ア 一般論ですけど、西洋のほうが、セクシャリティっていうのが割とビジュアルで表現されている気がするんですね。
な 日本だと、ゲイの人はおしゃれだったり、トークが面白かったりで人気なんですが……。
ア アメリカは宗教的な国なので、「同性愛は間違っている」っていうふうに思ってる人たちもまだ結構いて、無知な部分から、差別的な現象が起きるんです。アメリカでも、ファッションやエンターテインメントの世界ではゲイの人たちが優れているとされる傾向がありますけど、日本みたいに受け入れられてほしいなと思います。
な ただ、最近、日本は男性が弱い感じで、草食系男子といわれて恋愛にも消極的だったりするんですけど……。アダムさんの歌詞を読んでいるとすごくワイルドで、それとは正反対ですよね。
ア 僕は意中の男性を追いかけるにあたっては、かなりアグレッシブ。超肉食です。
な 「クレイジートレインが出発するぜ」とか「電気ショックだって目じゃない」とか「オレが北極になって寒さを教えてやる」とか……ワイルドな歌詞には、普段の恋愛観が反映されているんですか?
ア 正直な気持ちを書いている歌詞です。あと、僕にはすごく情熱的なファンが多いので、彼らからも影響を受けてるかもしれません。
な 以前インタビューで、昔から、アダムさんに会うと感情的になって泣きだす人がいたとおっしゃっていましたが、人の心をオープンにする力をお持ちなのでしょうか。
ア なるべく相手がオープンになれるようにといつも心がけているので、それが伝わって、感情がより高まっちゃうのかもしれませんね。ただ、僕に会ってエモーショナルになる人は、僕のことをすごく愛してくれるからそうなるのかもしれないけど、僕のほうはというと、いつも恥ずかしい気持ちというか、どうしていいかわからない気持ちでいっぱいなんですよ。
な お2人とも星座がお好きということもあり、マドンナさんとも、会った時に心が通じ合ったそうですが……。
ア 本当に短い時間ですけど、会うことができました。ある意味緊張したというか……泣きはしませんでしたけど、心臓がドキドキして、赤くなってしまって。子どもの頃から(マドンナの曲を)聴いてましたから、感動的でしたね。
な アドバイスを受けたりは?
ア 少しだけアドバイスをしてくれました。「くだらないことに目を向けるな」と。
な スターになると、悪口を言われたりしますもんね。
ア 僕は結構センシティブなほうで、必要以上に物事を理解しちゃうところがあって、もし、もう少しマヌケだったら現実がもっと楽だったかもしれないなと思うくらい。だから、無知っていうのは、もしかしたら幸せなことかもしれないなって思うんですけど、僕は、自分への良いコメントと悪いコメントを全部把握しているんですね。ネガティブなことだって、地に自分の足を着けさせてくれるというか、バランスを取れるようにしてくれるから、必要なのかもしれないなと思っているんです。