第2のリクルート事件?”疑惑にまみれた”JAL再上場の舞台裏

破綻から1年9カ月でスピード再上場

2010年1月、債務超過などを理由に会社更生法の適用を申請し、上場廃止となった。京セラ名誉会長・稲盛和夫が会長の職に就き経営再建に取り組み、翌11年3月に会社更生を終了。今年9月に再上場する予定。

『腐った翼』(幻冬舎)

 笑いが止まらないとは、このことだろう。日本航空(JAL)の株式再上場によってボロ儲けする、債務超過企業の支援を行う国策企業・企業再生支援機構(以下、支援機構)のことである。

 放漫経営のあげく破綻し、支援機構から役員の派遣を受け入れるとともに、3500億円もの出資、つまり国の支援を受けたJALは、既存株主や、1万6000人にのぼる職を失った従業員、運航便の廃止などで不便を強いられた利用者らの“犠牲”と引き換えに、経営の「V字回復」を果たした。

 これまでJALのV字回復といえば「経営の神様・稲盛和夫氏の下での再生美談」一色だったが、ここにきて、東京新聞(8月7日付)、「週刊文春」(文藝春秋/8月9日号)をはじめとするメディアが、ある疑惑をやり玉に挙げ始めた。

 その疑惑とは、JALの稲盛名誉会長が同じく名誉会長を務める京セラに関するものである。京セラを含む8社は、JALの会社更生手続きが終了する直前の2011年3月15日、第三者割当増資により合計635万株を取得したが、「これはインサイダー取引ではないか?」というものだ。もちろん、JALは3月時点では非上場会社であるため、厳密には違法ではない。しかし、この取引が“目前に控えた上場を見越して”行われたものであるとすれば、問題視されてしかるべき行為であろう。

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