──かつて「コロコロコミック」(小学館)で連載されていた『かっとばせ! キヨハラくん』に始まる野球ギャグマンガ。一部少年の心に妙な刷り込みを与えた同作作者(実は中日ファン)は、当時とその後、巨人をどう見ているのだろうか?
『男道』(幻冬舎文庫)
1986年に清原和博選手が西武へ入団して、87年に「コロコロコミック」で『かっとばせ!キヨハラくん』の連載を始めました。主人公・キヨハラカズヒロのライバルがクワタマスミで、その流れで巨人のことも多く扱いましたね。作中で使用する球団の名前は、“西部ライアンズ”、“東京カイアンツ”など、そのまま使っていたわけではないので、特に選手や球団関係者から怒られたりはしなかったです。熱烈な桑田選手ファンのおばさんから、苦情のハガキが1通来たぐらい。選手や監督たちをパロディにすることに対しては、「この選手にも家族がいて生活があって……」とか考え出すと何も描けないので、そこは割り切ってやってました。
続編となる『ゴーゴー!ゴジラッ!!マツイくん』(94~03年)には、“カイアンツの名物オーナー”ワタナベさんというキャラクターもいましたね。ナベツネさんは、僕個人としては好きじゃないし、いち野球ファンとしても、野球に詳しくない人がトップにいたら、単純に選手はやりにくいだろうなぁって思います。そもそもプロ野球は選手が頑張ればいいだけ。オーナーが目立ってもしょうがないですよ。とはいえ、そういったワンマンなオーナーがいたからこそ球団が強くなった側面はあると思います。もしトップがものすごくいい人だったら、いろいろな方面に気を使ってしまって、あんな強い球団は作れないでしょう。