法改正で見えた与野党議員とサラ金業界の癒着

『新ナニワ金融道(14)』(扶桑社)

 2006年に改正された貸金業法について、「見直し」という名の改悪が行われる可能性が出てきた。

 改正貸金業法では、借金苦による生活破綻などを防ごうと、利息制限法の上限金利を超えてはいるが刑事罰はなかったグレーゾーン金利(10万円未満の借入の場合、年利20%~29・2%の間)が廃止され、融資額に応じて上限金利が15~20%と定められた。また、年収の3分の1を超える過剰貸付も原則禁止された(総量規制)。

 そして今、10年6月の完全施行からわずか2年で、時計の針を逆戻りさせる動きが始まっている。

 5月、自民党の「小口金融市場に関する小委員会」(竹本直一委員長。以下、小委員会)は、改正貸金業法を骨抜きにする案をまとめた。「総量規制」を撤廃して年収にかかわりなく借りられるようにすること、上限金利を年利30%程度にまで引き上げることが柱だ。

サラ金
消費者金融の別称。主に個人を対象に、無担保で金銭を貸し付ける専門金融会社。2006年の貸金業法改正で、業界大手が揃って経営危機に陥った。

 民主党も後を追うように、「改正貸金業法検討ワーキングチーム」(桜井充座長。以下、WT)を立ち上げ、中小・零細事業者向けの短期貸し付けの上限金利を引き上げる方向で検討を進めている。

「実は、超党派の『貸金業法改正の影響と対策に関する勉強会』があり、自民党の案も民主党の案も、そこでの議論がベースになっている」と明かすのは貸金業界関係者である。

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