――なにかと週刊誌などを騒がすことが多い宗教法人「幸福の科学」。同教団の「看板夫人」でもあった女性は、震災後、東北の地で「トイレ掃除」にいそしんでいたという──。
(写真/江森康之)
満面の笑みをこぼす婦人は、宗教法人「幸福の科学」総裁である大川隆法氏と離婚調停中の大川きょう子氏だ。2010年に教団と完全決別した後は、週刊誌などで大川総裁の素顔や教団の内情について発言。対して、教団からは批判や永久追放処分を受け、名誉毀損による訴訟合戦に発展中である。
だが、今日のきょう子氏にとって、こうしたいざこざは二の次。東日本大震災の被災地への支援活動に奔走する日々だからだ。かつて教団内では「ナイチンゲールの生まれ変わり」などとされていた、きょう子氏の活動とは?
きょう子氏が立ち上げたボランティア団体「みちのく衛生の会」の支援活動の柱は2つ。岩手県陸前高田市を中心に行っている「感染症対策」と「生活弱者支援」だ。
「避難所や仮設のトイレの清掃に始まり、浸水した建物の消毒、屋外に大量発生したハエの退治など、感染症を防ぐために重要なことを行ってきました。最初はトラックに積んだ農薬散布用機械を使い、消臭剤などをトイレに散布しながら回ったんです。トイレ以外にも悪臭のするところが多く、どんどん仕事が拡大していきました。最も多かったのは、遺体捜索のために派遣されてきた、大阪や北海道などの他府県の警察官でしたね。『自分たちにも撒いてくれ』と」