わがままタレントと編集者の仁義なき闘いの行方は!? 「発禁本」で泣いた浅田真央ちゃんの”真意”

──今年2月8日にポプラ社から発売予定だった浅田真央の『大丈夫、きっと明日はできる』が発売中止になったことは記憶に新しい。人知れずひっそりと出版されずに終わっていく「お蔵入り本」はなぜ発生してしまうのか?

『浅田真央、20歳への階段』(文藝春秋)

 広告収入がある雑誌と違い、基本的には売り上げだけが頼りの書籍は、コツコツ売っていくことが前提となっている。ところが、何か不備があり回収騒ぎなんぞになっては、出版社も著者も実入りはゼロ。それどころかマイナスになってしまうケースも。よって、できる限りそのような事態は避けなければならない。そのために日夜努力しているわけだが、それでも、なんらかの事情によって発売前に出版中止に追いやられるケースがまれにある。それが「お蔵入り本」である。実際にどういった経緯でお蔵入りとなったのかを分析していくと、いくつかのパターンがあるようで……。

 最も多いのは、著者と出版社の間にトラブルが発生して発売中止になるという、わかりやすいケース。最近の例としては、ポプラ社から2012年2月8日に発売予定だった、浅田真央の著書『大丈夫、きっと明日はできる』【1】がある。一部報道では、先行予約用として書店に配布したポスターに書かれた「ママ、ありがとう。何度ありがとうと言っても足りません」というコピーに本人が憤慨したと伝えられた。

「浅田には、前年12月に亡くなった母親をビジネスの道具にしたくないという思いがあったので、宣伝コピーが決定打になったことは確かです。でも、ただそれだけが理由ではない。制作段階から彼女は、出版社と意思疎通がうまくいかないことに不信感を募らせていたようなんですよ。浅田が所属する事務所、IMG日本支社は、安藤美姫や室伏広治らスポーツ選手を多く抱えているんですが、中でも浅田はお姫様扱いされていて、本人が『もうやめた』と言えば、それ以上マネージャーや社長が出版を強いることは難しかった」(大手出版社編集A)

「タレントが本を出版する場合、印税はもちろん、話題性やイメージアップも目的としているので、多少の食い違いが起きても、できる限り歩み寄って出版しようとするでしょう。しかしアスリートの場合、本業はあくまで競技。当時、浅田は四大陸選手権を控えており、何よりも試合優先でした。浅田は普段からインターネットなどの誹謗中傷にとても敏感なタイプで、試合前に『母親の死で同情を買っている』といった悪口を書かれたくなかったようです。そういうさまざまな要因が重なったための結果で、ポプラ社は相手が悪かったという印象がありますね。その後浅田サイドには、多くの出版社重役から『ウチから出させてもらえないか』とのオファーが殺到したとか(笑)」(中堅出版社編集B)

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