――「実際、効果あるの?」というわけで今回、自己啓発本とは縁遠い生活を送る、医学部浪人生でバンドマンのA氏(27)に定番書を読んでもらった。受験の役に立つのか!?
『【携帯版】思考は現実化する』(きこ書房)
──今回は、『思考は現実化する』【1】、『道は開ける』【2】、『7つの習慣』【3】と、定番といわれる3冊を読んでもらいました。元来このテの本はあまり好きではないということでしたが、感想はどうですか?
A 一番自分のためにならなかったのは『思考は現実化する』。有名人や偉人がどうやって成功したかだけ集めていて、作者の意見や体験からの言葉が全然ない。そもそも偉人が成功した例って、どこまでが本人の努力かわからないでしょう。生育環境や時代背景もあるわけで。それから、「能力」を「脳力」と書くのがいかにも「自己啓発」って感じで嫌だった。
──得るものはなかった?
A 「これをしてはいけない」とか「こういうところは直したほうがいい」で終わってるものが大半で、「じゃあどうすればいいか」がない。「言われなくてもわかってるわ」と思う。ただ、全体的に異様に熱量の高い本ではあるから、読んでるとアガる感じはあった。親しい友人と夜通し飲んで、壮大なプランが立ち上がった時の盛り上がりみたいな感じですね。一時的なハッパかけにはなるし、読んでて元気は出る。でも、もし自分で本屋で手に取っていたら、「この本と出会った日が生涯で最も重要な日だ」なんて前書きの時点で、そっと棚に戻すね。