酷評の嵐吹き荒れるNOTTVをテレビ業界が推進させたいワケ

NOTTVの公式サイトには、「新しいTVの楽しみ方を提供します」との文字が踊るが……。

 4月1日にスマートフォン向けのマルチメディア放送局「NOTTV」がスタートした。AKB48のメンバーが登場するテレビCMや全国紙での全面広告など、大規模なプロモーションを展開したことから「名前は知っている」という人も多いはずだ。

 NOTTVとは、専用チューナーを搭載したスマートフォンやタブレットで見ることのできる一種のテレビ放送で、現在は関東、東海、関西、北九州などで視聴することができる。初年度のユーザー数は100万人を目標としており、放送エリアも2015年には全国へ拡大し、世帯カバー率も90%を超えることを目標に掲げている。

 しかし、大々的なプロモーションを展開しているものの、実際にNOTTVを視聴したことがあるというユーザーとなると、ほとんどいないのが現状だ。なぜなら、NOTTVを見ることができる端末は現在のところ、NTTドコモから発売されているシャープ「AQUOS PHONE SH-06D」と、NECカシオ「MEDIAS TAB N-06D」の2機種のみで、しかも視聴に当たっては月額420円の有料契約が必要とされるからだ。

NOTTV
今年4月1日にスタートした、スマートフォン向けのマルチメディア放送局のこと。東京・六本木のミッドタウン・タワーに本社を置く「mmbi」なる会社が運営し、AKB48メンバーをCMに出演させるなど、大々的なプロモーションを行ってはいるが……。

「肝心の番組内容はというと、3つあるチャンネルのうち、2つがドラマやバラエティ、スポーツ中継を中心にした総合チャンネルで、1つはニュース専門チャンネルとなっています。総合チャンネルのほうは、AKB48が出演するオリジナル番組をウリにしているものの、そのほかはJ-POPやK-POPのミュージックビデオを流すだけの番組、BS・CS放送番組の再利用などが中心。ニュースチャンネルも、CSのニュース専門チャンネルであるTBSニュースバードと日テレNEWS24から流用したものとなっています。つまり、NOTTVでなければ見られないという特別な番組もなければ、スマホで見ることを意識した番組作りもなされていないんですよ」(ITジャーナリスト)

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