──「震災復興には、裏社会の手助けが必要だ」と口にして物議を醸したのは、作家・堺屋太一の発言だが、現実にはすでに、裏社会の住民らは復旧マネーの分配にあずかっている。福島第一原発半径20キロ圏内国有化計画が浮上する中、"本音"の復興改革にスポットを当ててみよう。
福島第一原発20キロ圏内は、いまだ震災の深い爪あとが残っている。
「復旧(復興)にはスピードが必要」「平時のように四角四面に法律を適用していては、ことは迅速に進みません。正直なところ、裏社会の人に協力を要請しないと突破できない局面も出てきます」
こう月刊誌上で述べたことが物議を醸し、暴力団排除活動を進める全国の弁護士から抗議を受けたのは、作家の堺屋太一氏。堺屋氏は、阪神淡路大震災で政府の復興委員を務めた経験から今回の「裏社会」発言に至ったのだが、この発言は福島県の復旧の最前線を的確に反映したものともいえそうだ。というのも、週刊誌を中心に既報されているが、現実にはすでに裏社会の住人たちは復旧の最前線に根を下ろし、復旧(復興)マネーの配分にあずかっているからだ。