──昨年末の平田信の逮捕により、「オウム真理教」の名を久しぶりに目にした人も多いだろう。同団体などの影響により、現代の新新宗教は毛嫌いされることが多くなったが、宗教学者・島薗氏によると、こうした団体には、ある宗教家の影響があるという。
[推薦人]
島薗進(しまぞの・すすむ)
1948年、東京都生まれ。宗教学者。東京大学大学院人文社会系研究科教授。近代以降の日本の宗教史の研究を中心に、世界の諸地域の宗教のあり方の比較研究を行う。近年は死生学の研究に取り組む。近著に『国家神道と日本人』(岩波新書)など。
近代に生まれた、日本の新宗教の宗教家の中で革命的だった人物は何人かいますが、70年代以降に発展期を持った、"新新宗教"において際立った人物として、私は、GLAの高橋信次氏を挙げたいと思います。GLAとは、60年代末に設立された宗教団体です。GLA総合本部はそれほど規模の大きい団体ではありませんが、高橋信次が活性化した新しい宗教思想のうねりは、今なお多くの人々に受け継がれているのです。