『だから税理士はやめられない』(住宅新報社)。
毎年12月から3月までは、サラリーマンの年末調整(12月)や自営業者の確定申告(2~3月)、企業の決算集中(3~5月)と、税金関係の事務を引き受ける税理士にとっては、猫の手も借りたい"繁盛"シーズンとなる。そのため、年末から税理士事務所による税理士求人募集をよく目にするが、時給を見ると「800円台」などとマクドナルドのアルバイト並みのケースも多い。税理士業務の補助ならいざ知らず、パート募集とはいえ、国家資格の「税理士」資格保有者が、こんな条件で集まるのか疑問ではあるが、そもそも税理士とはどのようなお仕事なのだろうか?
その内容は大きく3つに分けることができる。まずひとつ目は、主に企業の代理で税務署などに租税に関する申告を行う「税務代理」。2つ目は、企業から委託を受けて、複雑多岐に渡る税務書類を作成する「税務書類の作成」。そして3つ目が、税務に関するさまざまな事柄について相談に応ずる「税務相談」。まさに税務のエキスパートとして、特に中小企業にとってはなくてはならない存在である。
この税理士になるためには、合格率2%台という難易度の高い試験に合格した後、さらに約2年間の実務経験が必要となる。長い下積み経験を経て、晴れて税理士業務を営むことができるのだ。