──欧州の金融危機のほか、歴史的な円高が続く中、メガ3銀行という構図は変わらない。だが、銀行本来の業務である貸付は、もはや頭打ち。そんな中、証券に目をつけた大手銀行による、老舗の証券会社買収が噂されるが……。日本金融業界が抱える問題点を見ていこう。
トップ企業
株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ
「三菱東京UFJ銀行」「三菱UFJ信託銀行」「三菱UFJ証券ホールディングス」そしてアメリカの「ユニオンバンク」などを傘下に収める。資本金2兆1374億円、連結売上6兆3939億円を誇る、まさに世界屈指の総合金融グループ。
(絵/小笠原徹)
ギリシャ国債の暴落に端を発した、世界的なシステム不安が深まる金融業界。日本の大手銀行の業績自体は、欧米の銀行に比べて堅調であるものの、各行の株価は著しく低迷している。
「日本の銀行はリーマンショック時の痛手が比較的少なく、日本国債の売買を中心に利益を挙げていますが、欧州危機の広がりで金融業自体が当分リスクにさらされる、というのが世界的なコンセンサスです。将来に対する明るい展望が描けない以上、日本の大手銀行に対する市場の評価も上がりにくい」(証券関係者)