──2011年は国内メーカーにとってまさに受難の年だった。2度の天災や金融不安による超円高が直撃し、輸出は大きく減少、世界シェアは低下した。国内市場はとっくにピークを過ぎており、今後は中国やロシアなどの新興国でいかにシェアが伸ばせるかが、カギとなっているが……。
トップ企業
トヨタ自動車株式会社2010年は世界販売台数で世界ランクトップだったトヨタ。11年は第3位に転落したものの、国内で依然としてナンバー1企業。世界販売台数は760万台で、前期より4%増えている。12年はハイブリッドカーや電気自動車などのエコカーのラインアップ補充に加え、小型のハイブリッドカー投入で巻き返しを図る。
(絵/小笠原徹)
長引く金融不況に加え、東日本大震災やタイの大洪水により部品サプライチェーンが寸断され、記録的な円高による国際競争力の低下が叫ばれるなど、厳しい状況にあると見られる日本の自動車業界。11年11月、野田佳彦首相がTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉に参加する方針を表明し、「関税の撤廃で対米輸出が有利になる」との見方が広がったが、ある自動車ディーラーは「そう甘くはない」と指摘する。