[家電業界]トップ企業の爆弾──撤退に終始したパナソニックを襲うビジョンなき体質の弊害

──テレビ事業の落ち込みとともに、行き詰まりを見せている国内家電メーカー。頼みの液晶パネル分野は売り上げを見込めず、各社がそれぞれの新機軸を打ち出そうと必死になっている。そんな中で、今年1月より新体制を発足させたパナソニックの先行きはいかに──?

トップ企業

パナソニック株式会社
日本最大の総合家電メーカー。今年1月、完全子会社化していた三洋電機とパナソニック電工との経営統合及び事業再編を行い、新生パナソニックとして生まれ変わった。近年は、スマートグリッドや「まるごと」戦略といった新機軸を模索している。

(絵/小笠原徹)

 家電業界は軒並み苦しい1年だった──2011年を振り返った識者は、口を揃えてそう語る。家電全体で見ても、11月は家電量販店最大手のヤマダ電機が前年同月比で57・9%も売り上げを落とすなど、量販店各社の売り上げは5割前後の大幅減。象徴的なのはやはり"家電の王者"テレビの不調だ。エコポイントに加え、買い替え需要を喚起していた地上デジタル放送への移行が11年7月に完了。8月以降は、その反動で販売台数が半減した。

 メーカーにとって痛いのは、販売台数の減少だけではない。詳細な店舗販売情報であるPOSデータを集計するBCNのエグゼクティブアナリスト・道越一郎氏は、金額ベースでの下落を指摘する。

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2024.11.22 UP DATE

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