雪に隠れた岩山のように、正面からは見えてこない。でも、映画のスクリーンを通してズイズイッと見えてくる。超大国の真の姿をお届け。
『マージン・コール』
2008年の金融危機の中で、某投資会社は倒産しかねない危機的事態に陥った。そこで働く社員たちの緊迫の24時間を描いた金融サスペンス。金融崩壊を前に彼らが下した決断とは……。
監督/J・C・チャンダー 出演/ザッカリー・クイント、ケヴィン・スペイシー、ジェレミー・アイアンズ、デミ・ムーアほか日本での公開は未定 DVDが2012年2月3日に発売予定
2008年9月、創業107年目のマンハッタンの某投資会社で、社員の8割がリストラされた。危機管理アナリストのエリックも、すぐにオフィスを去るよう命じられた。アメリカではよくあることだ。
「ちょっと待ってくれ、今、ものすごく重大な仕事の最中なんだ!」
警備員は聞く耳を持たず、エリックをエレベーターに押し込む。ドアが閉まる直前、彼は若手の部下ピーターにUSBストレージを手渡した。