──年末年始になると、テレビでは一年の総決算とばかりに数多くの特番が放映される。だが、空前のメディア不況や東日本大震災の影響により、今年に限っては、どうやら勝手が違うようだ。軽率な番組が跋扈するその裏の、局員や番組制作会社の苦悩を見ていこう。
今年のテレビスター・芦田愛菜ちゃん。年末年始の特番ハシゴにも要注目。
ここ数年、「つまらなくなった」と言われるテレビ番組。ビジネス面も含めた地盤沈下が叫ばれて久しいが、それでもなお家庭における"娯楽の王様"であることに変わりはない。そんな中、在宅率が高くなる年末年始は、テレビにとって存在感をアピールできる絶好の機会。一部流動的な部分はあるものの、ここにきてようやく特番のラインナップが出揃ってきた。
注目は、12月31日の大みそか。裏番組に『NHK紅白歌合戦』というオバケ番組が鎮座しているため、民放各局も高視聴率を期待しているわけではないが、それでも民放にとってはプライドをかけた一日になる。
「一種のお祭りですが、だからこそ世間の注目度は段違いに高いため、視聴率民放トップの座は是が非でも取りたいところ。翌年度のスポンサーへのアピールにも、大きく影響してきますからね」(民放編成局員)