(写真/Shoda Masahiro D-CORD)
放射能汚染された東京で、ガスマスクを装着して日常生活を送る人々。甲状腺がんに侵された子ども......。一方で、マスクをつける者などひとりも見当たらない現実──甚大なる原発事故被害が今もなお拡大し続ける中、東日本大震災以前と変わらぬ様子で人々は雑踏を行き交う。そんな日本の「現状」を断片的かつ象徴的に紡ぎ合わせたショートフィルム『blind』は、若手映像作家ショウダユキヒロが、そこに問題提起を試みた自主制作・自主配信作品だ。
ショウダ 「僕が問題視しているのは、現在の『無関心』。福島第一原発での事故が起こって以降、子どもたちは日々、確実に傷つけられています。大人は子どもたちを守る義務がある。しかし、大多数の日本人はすでに、まるで人ごとのように放射能汚染を客観視し、事故以前と変わらない生活を送っています。容易に現状を知ることができる今、『無知は悪』であり、『無関心は罪』だと訴えたかった」