『小沢一郎 完全無罪』(講談社)。
「全面無罪」を主張している小沢一郎・民主党元代表の、いわゆる「陸山会」裁判の雲行きが何やら怪しくなっている。
10月6日に始まった小沢氏の裁判で問われているのは、資金管理団体「陸山会」による土地購入代金約4億円の原資を隠すために秘書と共謀し、資金の出入りの時期をずらして記載した政治資金規正法違反罪(虚偽記載)。最初の法廷で小沢氏は 「検察の違法な捜査による調書に基づき、検察審査会が誤った判断で強制起訴した。裁判を打ち切るべきだ」と食ってかかり、"完全無罪"を印象付けたが、その後、元秘書の石川知裕衆院議員による証人尋問で想定外な展開が起こったのだ。11月1日の法廷で、石川氏はあらためて小沢氏の関与を否定。2004年分の収支報告書にウソの記載をしたことを小沢氏に「報告し、了承を得た」と認めた供述調書についても「調書は検事の作文」と繰り返し訴えた。
ところが、検事役の指定弁護士から「事実と違うなら、調書にサインしなければよかったのでは」と疑問点を指摘されると「判断の甘さがあった」と釈明。検事側から調書の訂正が認められていた事実、あるいは弁護士と連日接見していた点を指摘されると、石川氏は言葉に詰まってしまった。