森 達也×二木 信──公務執行妨害をでっち上げ!?デモに怯える公安警察の亀裂

──9月11日、新宿での反原発デモで、ライターの二木信氏をはじめとする12名が公務執行妨害罪などで逮捕された。この事件を手がかりにしながら公務執行妨害罪の実態をあらためて問い、ひいては今この時代における公安警察の有り様をあぶり出したい。

 公共の安全と秩序を維持することを任務とし、一般人にとっては、日常生活でほとんどその姿を見かけることのない公安警察。その実態はいったいどんなものか? 去る9月11日に新宿で行われた反原発デモで逮捕された音楽ライターの二木信氏と、ドキュメンタリー映画『A』で公安警察によるオウム信者の不当逮捕の瞬間を記録した森達也氏の2人に話を訊いた。

逮捕することが公安の存在証明!?

──森さんは、二木さんの逮捕をどこで知りましたか?

森達也氏が監督した映画『A』のDVDは、マクザムより発売中。写真下が有名な「転び公妨」のシーン。

森達也(以下、)デモの翌日に、ネットで逮捕者が出たのを知りました。やっぱりびっくりしましたね。人数も多かったから。

──12人ですからね。まずは、二木さんが逮捕された経緯を説明してもらえますか?

二木信(以下、)簡単に言うと、デモの参加者をむやみに歩道まで広げて公共の秩序を乱したという理由で、東京都公安条例違反の疑いで逮捕されました。僕はサウンドシステムを積んで音楽を流すサウンドカーの責任者だったのですが、サウンドカーは歩道を歩く人をデモに巻き込んでいくところがあるので、これまでのデモでも警察に警戒されてたんですよ。ただ、あの日は出発の段階からかなり高圧的に「お前、道路にあまり広げるなよ」と言ってきたので、もしかしたらやられるかもしれないと思い、知人に財布やケータイその他を預けておいたんです。案の定、途中で警察官に囲まれ、特に抵抗せずにいたら、「検挙だ!」とそのままタクシーに乗せられました。近くにいても逮捕に気づかない人もいたくらいで、「二木が神隠しに遭った」と(笑)。

 残りの11人は、どんな感じですか?

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