松尾スズキ×すぎむらしんいちの『老人賭博』は90年代サブカル好き以外にも受け入れられるか?

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2011年10月号 COMICクロスレビュー

■『ブラよろ』作者が描く戦時下の若者たち

『特攻の島』(3巻)
作/佐藤秀峰
掲載/「週刊漫画TIMES」(芳文社)
価格/620円 発行日/8月9日
大東亜戦争末期、福岡海軍航空隊所属の予科練生・渡辺裕三は自ら志願し、人間魚雷「回天」が出撃する島にやってきた。兵器としては欠陥が多すぎる回天に乗り込めば、死は免れないという事実を前に渡辺は、「なぜ自分がここで死ぬのか?」「死ぬことに意味を見いだせない」と思い悩みながら、同期や上官と共に戦いに参画していく。

【脚本/演出家・麻草評】
★★★★☆☆☆☆☆☆
主人公の空転も、目新しさはなく
リアリティ皆無の小劇場的青春モラトリアム特攻も
の。「殺せない戦争」=「欠陥特攻兵器回天」を軸に、空転する主人公の葛藤を描くも、目新しい描写はなく、一定の需要へ向けた安定供給作の感アリ。3巻では、共に志願した同期の桜が主人公を守るために囮になるが、動機が主人公への感情移入というのは空転しすぎではないか。やはりヒロインの不在が大きな枷なのか? 段々とぼやけて不確かになっていく表紙絵の自画像演出は面白い。

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