最注目のビジュアル系エアバンド「ゴールデンボンバー」を生んだV系文化の蓄積とキャラクター消費

「CYZO×PLANETS 月刊カルチャー時評」とは?

本誌連載陣でもある批評家・編集者の宇野常寛氏が主宰するインディーズ・カルチャーマガジン「PLANETS」とサイゾーがタッグを組み、宇野氏プロデュースのもと、雑誌業界で地位低下中のカルチャー批評の復権を図る連載企画。新進気鋭の書き手たちによる、ここでしかできないカルチャー時評をお届けします。見るべき作品も読むべき批評も、ここにある!

【今月の1本】
『女々しくて/眠たくて』

荻上チキ[評論家]×柴那典[音楽ライター]×宇野常寛[批評家]

──ビジュアル系音楽誌の表紙を飾りまくる人気バンド「ゴールデンボンバー」。V系バンドの装いながらボーカル以外は演奏しないエアバンドなのだが、ライブパフォーマンスやネタ動画が話題を呼び、人気を博している。「V系的なもの」をパロディとして昇華させる彼らの背景にある、文化需要の構造的変化を語る!

宇野 まずは、それぞれのゴールデンボンバー(以下「金爆」)との出会いから話しましょうか。

 2009年の夏ぐらいから、ニューウェーブ界隈に詳しい友人から薦められていました。それで"白塗り ニューウェーブ サブカル"というシーンの対バンで見たのが最初です。そのシーンでは、もともとビジュアル系(以下、V系)だったのに小芝居をやるバンドが多いんですが、中でもゴールデンボンバーはその小芝居が図抜けていると評判でしたね。

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2024.11.21 UP DATE

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