ブータンと水俣市に学ぶ震災後のあるべき日本の姿【前編】

ビデオジャーナリストと社会学者が紡ぐ、ネットの新境地

今月のゲスト
草郷孝好[関西大学社会学部教授]

──東日本大震災から半年がたった現在、わずかではあるが復興事業は前へ進みつつあるように思われる。だが、日本全体を覆う暗い陰は、いまだ晴れる様子はない。そんな中、「日本を本当に幸せな国に変えるには、ブータンと熊本県水俣市の取り組みを学ぶべきだ」と、関西大学社会学部の草郷孝好教授は語る。国民の生活水準だけを見ると、決して豊かとはいえないアジアの小国ブータンは、高い国民総幸福量を誇るが、水俣市は長い間、公害に悩まされてきた都市として知られている。お金や物資に頼らない"本当の幸せ"とは、どのようにもたらされるのだろうか? 震災後のあるべき日本の姿について、考えてみたい。

神保 東日本大震災を奇貨として、日本をより幸せな国にするために、我々は何をすればいいのか。今回はその一例として、ヒマラヤ山脈麓の小さな国・ブータンと、意外な共通点がある熊本県水俣市の取り組みを見ていきたいと思います。

 まず、ブータンといえばGNH(Gross National Happiness/国民総幸福量)が有名ですが、宮台さんはどんなイメージを持っていますか?

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2024.11.21 UP DATE

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