──山口組六代目司忍組長の出所、大物ヤクザの自伝『憚りながら』(宝島社)やヤクザ社会のルポルタージュ『ヤクザの修羅場』(文春新書)が話題になる昨今、ヤクザたちを支える現在の「極道の妻たち」はどのような存在になっているのか? 現役の極妻さんたちに聞いてみると、バラエティに富んだ素顔が……。
家田荘子の『極道の妻たち』。
「あんた、指詰めなアカンよ」
岩下志麻演じる「姐」が服役中の夫に代わってスゴむと、子分たちはひれ伏さんばかりに萎縮する──。
これは、作家・家田荘子原作の映画『極道の妻(おんな)たち』(1986年)で、縄張り内で起こったトラブルの責任を取れと姐が子分にタンカを切るワンシーンだ。極道の世界を女性の視点から見る斬新な設定と、役柄にマッチした岩下の好演により、同作は高い評価を得た。それゆえ、多くの人が思い描く"極道の妻"のステレオタイプなイメージは出演する女優たちに近いだろう。