ブームの裏で聞こえる犬猫の鳴き声──利益優先のペットビズは動物愛護法改正でどう変わる?

──90年代後半から徐々にその熱が高まり始め、数年前よりピークを迎えつつあるこの第2次ペットブーム。犬の飼育件数は1000万頭以上となり、ペットフードやペット用品、生体・関連サービス(病院・ペットホテル・トリマーなどを含む)などの市場規模も合計で1兆円以上までに上っていった。ソフトバンクのCMで「白戸家のお父さん」として活躍しているタレント犬のカイくんは大人気となり、写真集が10万部近く売れ、雑誌も「Shi-Ba(シーバ)」(辰巳出版)など柴犬の専門誌まで創刊。大きく話題となっていた。しかし、そうしたブームの背後にあるさまざまな問題点も表面化し、少なからず言及されてきた。

太田 匡彦氏の著書『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』

 ここ数年で、そのあり方を含めて問題視されてきたのが、ペットの流通販売システム。利益を求めるあまりに、暴力団がらみの団体やまったくの素人による「悪質ブリーダー」が、動物にとって劣悪な環境で過剰に繁殖させ、商売にならないとわかるやそのまま放棄したり、大量に殺処分されてしまったりすることなどが問題として取りざたされている。

 そのなかで注目を集めているのが、これまで"放し飼い"状態だったペットショップの深夜営業だ。環境省は、12年の通常国会で動物愛護法を改正するべく本格的に動き始めた。

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2024.11.21 UP DATE

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