ケータイ小説的モノローグとチープな敵役で残念な出来 『悪魔とラブソング』

■天狗と高校青春ライフが同居する少女マンガ

『町でうわさの天狗の子』(8巻)
作/岩本ナオ
掲載/「月刊flowers」(小学館)
価格/420円 発行/6月10日
天狗信仰の残る緑峰町で、天狗の神様と人間の母親の間に生まれた秋姫。母のもとで育ってはいたが、週に一度はお山の父親のところに遊びに行く生活。高校入学後、新たにできた友人や同級生のタケル君、そして同じ学校に通うようになった幼馴染の天狗見習い・瞬と青春ライフを送りながら、だんだんと天狗の修業を始めるようになる。


【ライター・高野評】
★★★★★★★★★☆
"少しだけファンタジー"にできること
現実を少し超えたくらいのファンタジーが好きだ。少年少女の愉快な日々、それぞれの関係性に漂う恋や友情と断定できない情感、そして幸福なモラトリアムのあとで「何ものかになる」ことへの畏怖──17歳の夏の終わりがこういうものであったことを、空気の匂いまで思い出すだろう。シンプルな画と丁寧なネームは感情を押しつけることをしないが、決して「脱力系」ではなく、あの頃から変わらず私たちの中にある「切実さ」を刺激してやまない。

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