原発事故に関して、正確な情報に接するべき報道の現場でも、大混乱があった……。(写真はイメージ/福島第1原発近辺)
3月の福島原発事故直後、大手報道機関の「あるまじき現場放棄」のケースとして、週刊誌やネットで報じられてきた「共同通信福島支局事件」。その当事者である福島支局長Y氏(当時)がこのほど、「勝手に避難したんじゃない。本社のO編集局長が命じた」と訴える「告発文」を関係者に送っていたことが判明した。
「福島支局事件」とは、3月12日午後、福島第1原発1号機が水素爆発を起こしたことを知ったY氏が、支局から山形まで逃げた一件。福島県内のほかのメディアに退避者はなく、Y氏は共同通信加盟の地元紙にも避難行動を事前に告げず逃避したことから、「日本を代表する報道機関の体たらく」として報じられ、共同社内でも問題化。Y氏は3月下旬に校閲部に更迭され、5月になってから戒告を受けていた。
「Yさんは山形から戻った後も、ガイガーカウンターを首からぶら下げて取材先をうろついたり、ツイッターで『ヨウ素剤を2錠飲んだ。明日も生きよう。おやすみなさい』とつぶやいたりして、情緒不安定になっているのではないかと心配されました。でも、実際に福島脱出を誰が言い出したのか、社側が検証した形跡はなく、真相は闇に葬られていました」(共同通信労組関係者)