適切な災害支援のバックアップの枠組みとは
金子良事氏と共に、日本でCFWの研究を進める永松伸吾氏が寄稿している「atプラス08」。
荻上 政策的な枠組みの面では、例えば辻元清美が内閣総理大臣補佐官災害ボランティア活動担当になったとき、「一体何をするんだろう?」という疑問がボランティア従事者からも出てきましたね。これだけの被害がある中、地域個別性への対応という面では、草の根的な活動を各人が模索しながらもどんどん進めていかなければならないのですが、果たして国という単位で何をするのだろうか、水差しをするだけなのではないか? という懸念も寄せられたわけです。
フタを開けてみれば、基本的には積極的な成果はよくわからず、ひとまず「邪魔されなくてよかったね」という話になっているわけですが、ボランティアにせよCFWにせよ、それに対して国政ができることは少ない。しかし、号令や指揮は難しくとも、後方支援や制度支援はしっかりやるべきで、その点での課題を踏まえた上で前進すべきでしょう。
金子 僕も中央政府には「余計なことをしてくれるな」と思っているので、その意味では何もしないのは歓迎です。むしろ、後追いで地方の動きをバックアップすることが必要じゃないかと思いますね。