――自らが作ったRPGゲームの実況動画を投稿したことによって、人気投稿者のひとりとなったルーツ氏。それがきっかけでウェブ上でのマンガ連載、果てはマンガ家デビューを果たしたという異色の経歴を持つ氏だが、そこには人知れぬ苦労もあったようで──。
ルーツ氏が「月刊コミックバーズ」にて連載中『するめいか 1』
2007年くらいに、ニコ動で偶然見た『ファイナルファンタジー4』のゲーム実況に衝撃を受けて、自分もすぐに動画投稿を始めたんです。それまではMAD系の動画ばかりだったから、コレは斬新だと思って。ランキングで上位に食い込むのがモチベーションで、再生数が増えるのを、いつもひとりでニヤニヤして見てました。そうしたら実況を見た編集者の方に声をかけていただいて、幻冬舎ウェブマガジンで連載スペースをもらえることになり、そこで僕はマンガを描いていて、それが「コミックバーズ」での連載につながっていきました。 だからマンガ家になれたきっかけはニコ動だったんです。
でもいまだに"ゲーム実況の人"と思われることが辛くて、この前ブログで引退宣言をしました。「ずっと見てました」って言ってくれる人もいてうれしかったんですけど、ニコ動での人気は、社会ではなんの実績にもならないんだとたびたび感じます。就活の時「ゲーム実況で何十万再生されました!」って面接官に話したら、ポカーンとしてましたし(苦笑)。人気が出るとチヤホヤされて気持ちいいけど、それは結局ネット上だけでの話。そのギャップへの戸惑いはありましたね。