――08年8月13日、読売、毎日、産経の各新聞に4面を割いて大林組と大成建設が大広告を掲載した。「念佛宗 無量壽寺 総本山 落慶祝」。このお寺の施主は、新宗教団体・念佛宗三寶山無量壽寺(以下、念佛宗)。その施工を担当したゼネコンが、大手新聞にお寺の完成祝いとして新聞広告を打ったわけだ。兵庫県加東市の山奥に造られたこのお寺は、総面積およそ182万平方メートル(東京ドーム38個分!)、本堂の高さは51.5メートル。12メートルの石灯籠と9メートルの鬼瓦はギネスブックにも認定、と何もかもがでかい。また、大きさだけでなく、伽藍全体に1万点の彫刻、37万点を超える彫金が施されている凝りようだ。新宗教の建築の研究をしてきた五十嵐氏にも、この施設の写真を見てもらった。
三寶山無量壽寺の正面より撮影したもの。ちなみに、東日本大震災において、各教団がこぞって義援金寄付を表明する中、念佛宗は知らぬ顔の半兵衞を決め込んでいる……。
「まず、門の両脇の仁王像からもわかるように、現代的なことはやりたくなかったんでしょうね」