「国家破綻論」は単なる終末思想──日本の財政が本当に恐れるべきものとは?

──時におどろおどろしく語られる「国家破綻論」に、反射的におびえてしまうこともしばしばだ。本当に日本は破綻してしまうのか? 議論の正体を探っていくとともに、今本当に日本の財政が直面している危機と、その打開策を探る。

三人の識者はどう見る?
本稿登壇者の『破綻論観』早見表

 これまで見てきた通り、国家破綻を懸念する向きは多いが、実は、それが我々の生活にどんな影響を及ぼすのか、明確な説明はあまりなされていない。「株安・円安・国債安が訪れる」と語る有識者もいれば、「ハイパーインフレによる急激な物価高が起きる」とする書籍もある。また「財政赤字を補てんするために急激な増税が実施される」との声もある。しかし「破綻」とは「物事が、修復しようがないほどうまく行かなくなること。行きづまること」(小学館『大辞泉』)。極端な増税、株安・円安、インフレ・物価高は確かに困るが、それらによって本当に国家は破綻=維持・修復できなくなってしまうものなのだろうか?

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2024.11.22 UP DATE

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